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Distance Controllerを利用し15m以上にする。また、常にVertical Motion Controllerを利用して、深度の保持とpitch角を0度に制御する。
(2)VERTICAL ASCEND
[目的]大きな障害物を回避するために、垂直スラスターを利用して、垂直上昇を行う。
[行動]前方障害物との距離を20mを目標にDistance Controllerを利用しつつ、pitchを上向き15度を目標にして制御し、上方の障害物の確認を行いながらVertical Motion Controller上昇する。常は、深度0mを目標に上昇するが、もし前方上向き60度のソナーが障害物に反応する場合は、この障害物が示す深度より10m深い地点を垂直上昇の目標値とする。
(3)CREEP
[目的]DIRECTION FINDINGの後に、発見できたpathの方向への移動。
[行動]この状態では、速度を遅め(0.8m/sec)に設定して、Height Controllerを利用する。
(4)RECOVER BALANCE
[目的]垂直スラスターやラダーを利用した障害物回避の後に、一旦停止する。
[行動]Pitch Controller (thruster)とMove Around Controllerを利用して前進速度、pitch角、yaw角の目標値との差を0に近づける。
(5)STEEP CLIMB
[目的]Pitchが下に向いていたとき、進行方位に障害物が発見きれた場合や、大きな障害物をエレベーターの操作で最大pitch角(25度)で浮上をして、回避しようと試みる。
[行動]前進速度は1m/secとし、pitch角25度を目標としてPitch Controller (elevator)を利用し、上昇を行う。また、Yaw Controllerで、方位保持も行う。
(6)CLIMB
[目的]エレベーターを利用して、上方へ障害物の回避を試みる。
[行動]前方のソナーの値が50m以下の場合、Pitch Controller(elevator)を利用してpitch角を徐々に上げていく。また、この状態での航行速度は1m/secを目標としてVelocity Controllerを用い、そしてYaw Controllerで方位保持をしつつ航行する。
(7)TERRAIN FOLLOWING
[目的]ミッションの目的である高度保持を行う。
[行動]目標方位をYaw Controllerで保持しつつ、前進速度を1.0m/secとし、Height Controllerを用いて航行を行う。また、DIRECTION FINDINGなどで進むべき方位が一時的に変わっている場合は、その方位を目標とする。

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Fig-6. Flagging Method for Action Decision

5.コントローラーの試験
5−1.シミュレーション環境
構築したコントローラーの動作を確認するため、シミュレーションを行った。まずは、その環境の説明をする。コントローラーは、実機に搭載するCPUと同じ物の上に構築し、そのCPUとの入出力とR-oneの挙動のシミュレーションを計算機上で行った。その構成をFig-7に示す。Fig-7の一番左側にあるのがR-oneのコントローラーであり、これが中央にあるR-oneの模擬をするR-one Simulatorにつながっている。そして、R-one SimulatorからはMVSに接続されている海中環境の模擬は、東京大学生産技術研究所で開発されたMVSを利用した。設定した海底環境をFig-8に示す。今回の試験では、潮流の影響は考慮に入れなかった。全体の動作結果をFig-9およびFig-10に示す。これらの図の中で、編み目の部分が障害物であるが、編み目の部分とR-oneが重なっている部分は、障害物の上側または手前を航行している。ここで示したように、上手く障害物に接触しないでミッションを完了した。

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Fig-7.Structure of R-one Simulator

 

 

 

 

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